「最近、歯並びが悪くなってきた気がする」「子どもの歯列が心配」——その原因、舌の位置にあるかもしれません。実は、舌が本来あるべき位置よりも下に落ちている低位舌は、歯並びや噛み合わせに大きな影響を与えます。
この記事では、舌が下がることで起こる歯並びの乱れのメカニズム、原因、放置するリスク、そして今日からできる改善法までを徹底解説します。
舌が下がると歯並びは崩れる?そのメカニズム
本来、舌は上顎に軽く吸い付くような位置にあるのが正常です。これを「正しい舌位」といいます。
しかし舌が下がり、下あごの内側に落ちた状態(低位舌)になると、次のような力のバランスが崩れます。
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内側から歯列を支える力が弱くなる
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頬や唇からの外側への圧力が強くなる
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上あごの発達が不十分になる
歯は常に「舌の力」と「唇・頬の力」のバランスで並んでいます。舌が下がることで内側からの支えがなくなり、歯列が狭くなったり、前歯が出たり(出っ歯)、ガタガタになったりするのです。
舌が下がる主な原因
1. 口呼吸の習慣
アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりにより口呼吸が続くと、舌は自然と下がります。口が開いた状態では、舌は上あごにつきません。
特に子どもの場合、成長期に口呼吸が続くと、上あごの横幅が十分に広がらず、将来的に歯列不正につながります。
2. 舌や口周りの筋力低下
現代人は柔らかい食事が多く、噛む回数が減っています。その結果、舌や口周囲筋の筋力が弱くなり、正しい舌位を保てなくなります。
3. 姿勢の悪さ(猫背・スマホ首)
意外かもしれませんが、姿勢も大きく関係します。猫背になると顎が前に出て、舌が下がりやすくなります。スマートフォンを長時間見る習慣がある人は特に注意が必要です。
舌が下がることで起こるリスク
1. 歯並びの悪化(出っ歯・開咬・叢生)
舌が下がると、以下のような歯列不正が起こりやすくなります。
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出っ歯(上顎前突)
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開咬(前歯が噛み合わない)
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叢生(歯がガタガタ)
これらは見た目だけでなく、咀嚼効率や発音にも影響します。
2. 顔立ちへの影響
舌が上あごを押さないと、上顎の成長が不十分になります。その結果、顔が縦に長くなったり、口元が前に出たりすることがあります。
3. いびき・睡眠の質の低下
舌が下がると気道が狭くなり、いびきや睡眠時無呼吸のリスクも高まります。大人だけでなく、子どもでも注意が必要です。
舌の正しい位置とは?
正しい舌の位置は次の3点がポイントです。

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舌先が上の前歯の少し後ろ(スポット)に軽く触れている
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舌全体が上あごに吸い付いている
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唇は閉じ、歯は軽く触れるか少し離れている
今すぐ鏡を見ながらチェックしてみましょう。何もしていない時に舌が下に落ちていたら、低位舌の可能性があります。
舌が下がるのを改善する方法
1. あいうべ体操
「あー」「いー」「うー」「べー」と大きく口を動かす体操です。口周りの筋肉と舌を鍛える効果があります。1日30回を目安に継続しましょう。
2. 舌トレーニング(MFT)
MFT(口腔筋機能療法)は、歯科医院でも行われている舌や口周りの筋肉トレーニングです。
簡単な方法:
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舌全体を上あごに押し付けて10秒キープ
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ポッピング(舌を上あごに吸い付けて音を鳴らす)を10回
毎日続けることで、正しい舌位が身につきます。
3. 鼻呼吸を意識する
鼻づまりがある場合は耳鼻科で治療を受けましょう。日常的に「口を閉じる」ことを意識するだけでも改善につながります。
4. 姿勢を整える
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背筋を伸ばす
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顎を引く
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スマホを目線の高さに上げる
姿勢改善は舌位の安定に直結します。
子どもの場合は早期対策が重要
成長期の子どもは、顎の発達途中です。この時期に正しい舌位を身につけることで、将来的に矯正治療が不要になるケースもあります。
「いつも口が開いている」「いびきをかく」「滑舌が悪い」といったサインがあれば、歯科医院で相談してみましょう。
まとめ|舌の位置が歯並びを左右する
舌が下がると歯並びは崩れる可能性が高くなります。原因は口呼吸や筋力低下、姿勢の悪さなど、日常習慣に潜んでいます。
しかし、舌トレーニングや鼻呼吸の意識、姿勢改善によって予防・改善は可能です。
歯並びは一度悪くなると自然には戻りません。だからこそ、「舌の位置」という根本原因にアプローチすることが大切です。
今日から正しい舌位を意識し、将来の歯並びと健康を守りましょう。
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