治療が遅れているように見える理由と注意点
「マウスピース矯正をしているけれど、上の歯は順調なのに下の歯があまり動いていない気がする」
「上下で治療の進み具合に差があって、このままでいいの?」
マウスピース矯正中の患者さんから、とてもよくある不安です。
結論から言うと、
マウスピース矯正では、上下で進行の差が出ることは珍しくありません。
多くの場合、治療計画どおりであれば問題ありません。
この記事では、
- なぜ上下で進行の差が出るのか
- 差があっても問題ないケース
- 注意すべきサイン
- 安心して治療を続けるためのポイント
を患者さん向けに解説します。
なぜ上下で進行差が出ることがあるのか?

① 歯の動かしやすさが上下で違う
歯はすべて同じスピードで動くわけではありません。
- 下の歯は骨が硬く、動きにくい
- 歯の根の形や長さが違う
- 歯の本数やガタつきの程度が違う
そのため、上の歯の方が先に整って見えることはよくあります。
② もともとの歯並びの難易度が違う
上下で
- ガタガタの程度
- 抜歯の有無
- 歯を動かす距離
が違えば、当然進行スピードも変わります。
「下の歯だけ時間がかかる」というのは、決して異常ではありません。
③ 噛み合わせを考慮して調整している
矯正治療のゴールは「歯並び」だけでなく、正しい噛み合わせです。
そのため、
- 片方をあえてゆっくり進める
- 最終段階で上下を合わせる
といった計画的な進行差をつけることがあります。
④ マウスピースの使用時間の影響
マウスピース矯正は、
1日20〜22時間以上の装着がとても重要です。
- 食事後につけ忘れる
- 下だけ浮きやすい
- チューイーを使っていない
などがあると、下顎だけ遅れることもあります。
上下で進行の差があっても問題ないケース
以下の場合は、基本的に心配いりません。
- 担当医から「予定通り」と説明されている
- マウスピースがしっかりフィットしている
- 強い痛みや違和感がない
- 定期チェックで問題を指摘されていない
見た目の変化に差があっても、治療全体としては順調なことが多いです。
注意が必要なケース

一方で、次のような場合は早めに相談しましょう。
- マウスピースが明らかに浮いている
- 新しいマウスピースが入らない
- 下の歯だけ痛みや違和感が強い
- 指示どおり使っているのに全く動かない
この場合、
- 追加アタッチメント
- マウスピースの作り直し(リファインメント)
が必要になることもあります。
上下の進行差を減らすためにできること
✔ 装着時間を必ず守る
特に下顎はサボりが影響しやすいです。
✔ チューイーをしっかり使う
1日数回、上下均等に噛むことが大切です。
✔ 違和感は我慢せず相談する
早めの調整が、治療期間短縮につながります。
まとめ|上下で進行差があっても多くは問題なし
マウスピース矯正で上下の進行に差が出るのはよくあることです。
多くの場合、治療計画の範囲内であり、心配しすぎる必要はありません。
ただし、
- フィットしない
- 明らかに遅れている
- 不安が続く
場合は、自己判断せず歯科医に相談しましょう。
安心して治療を進めるためには、
「計画どおりかどうか」を確認することが一番の近道です。
治療について気になることがあれば、LINEでもお問い合わせ可能です
参考文献
- 日本矯正歯科学会
「矯正歯科治療の基礎知識」 - Proffit WR, Fields HW, Sarver DM.
Contemporary Orthodontics, 6th Edition, Elsevier. - Align Technology, Inc.
Invisalign Clinical Protocols and Biomechanics Guidelines. - 厚生労働省 e-ヘルスネット
「歯並び・咬合と口腔機能」 - Kravitz ND, Kusnoto B.
Influence of compliance on orthodontic tooth movement with clear aligners.
Journal of Clinical Orthodontics.