矯正治療を始めた方からよくある悩みのひとつが、「口内炎ができて痛い」というものです。
結論から言うと、矯正器具によって口内炎ができることはあります。
特に治療開始直後や調整後は、発生しやすいタイミングです。
ただし、多くの場合は一時的なものであり、適切な対処をすれば改善できます。
なぜ矯正中に口内炎ができるのか
① 装置が粘膜に当たる
ワイヤーやブラケットが頬の内側や唇に触れることで、摩擦や刺激が生じます。
この刺激が繰り返されることで、粘膜が傷つき、口内炎が発生します。
② 歯の移動による口内環境の変化
歯が動くことで、今まで当たらなかった部分に装置が触れるようになり、新たな刺激が生まれます。
その結果、一時的に口内炎ができやすくなります。
③ 免疫力の低下やストレス
新生活や環境の変化によるストレス、睡眠不足なども、口内炎を悪化させる要因です。
矯正そのものだけでなく、生活習慣も影響します。
矯正方法別|口内炎の起こりやすさ
ワイヤー矯正の場合
最も口内炎ができやすいのがこのタイプです。
・装置の凹凸が多い
・粘膜への接触が多い
特に装着初期は注意が必要です。
マウスピース矯正の場合
表面が滑らかなため、口内炎のリスクは比較的低いです。
ただし、縁(フチ)が当たる場合や、合わない状態で使用すると痛みが出ることがあります。
口内炎ができたときの対処法
① 矯正用ワックスを使う

装置が当たる部分にワックスをつけることで、摩擦を軽減できます。
これは最も手軽で効果的な方法です。
② 市販の口内炎薬を使う
塗り薬や貼るタイプの薬を使うことで、痛みを和らげ、治癒を促進できます。
③ 刺激の少ない食事を心がける
口内炎があるときは、以下を避けましょう。
・辛いもの
・酸っぱいもの
・硬い食べ物
やわらかく刺激の少ない食事がおすすめです。
④ 口腔内を清潔に保つ
細菌の繁殖を防ぐため、丁寧な歯磨きやうがいが重要です。
洗口液を併用するのも効果的です。
予防するためのポイント
① 装置の違和感は早めに相談
「少し当たるかも」と感じた段階で調整することで、口内炎を防げます。
② 栄養バランスを整える
ビタミンB群などは粘膜の健康に関わるため、食生活も意識しましょう。
③ 睡眠をしっかりとる
免疫力を維持することで、口内炎の予防・回復につながります。
歯科医院に相談すべきタイミング

以下のような場合は、早めに受診をおすすめします。
・痛みが強く食事ができない
・1週間以上治らない
・同じ場所に繰り返しできる
・装置が明らかに当たっている
装置の調整で改善するケースも多いため、無理に我慢する必要はありません。
まとめ
矯正治療中に口内炎ができることは珍しくありませんが、多くは一時的なものです。
・ワックスでの保護
・適切なケア
・早めの相談
を行うことで、痛みを最小限に抑えることができます。
無理に我慢せず、快適に治療を続けるための工夫を取り入れていきましょう。
参考文献
・日本矯正歯科学会「矯正治療中の注意事項」
・厚生労働省 e-ヘルスネット「口内炎」
・Proffit, W.R. et al. Contemporary Orthodontics, 6th Edition
・日本口腔外科学会 公開資料