「最近の子どもは顎が小さいと言われるけれど本当?」「うちの子も歯が並びきらないと言われた…」
矯正相談でよく聞くお悩みのひとつが、“顎の小ささ”です。
実際に、歯が大きいというよりも顎の成長が十分でないために歯が並びきらないケースは増えています。
この記事では、顎が小さい子どもが増えている理由と、その背景、そして家庭でできる対策をわかりやすく解説します。
顎が小さいとどうなる?
顎が小さいと、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足します。
その結果:
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歯がガタガタになる(叢生)
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出っ歯になりやすい
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受け口になる場合もある
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口呼吸になりやすい
将来的に矯正治療が必要になる可能性が高まります。
顎が小さい子どもが増えている4つの理由
① 食生活の変化(柔らかい食事)

現代の食事は、昔に比べて非常に柔らかい傾向があります。
ハンバーグ、パン、麺類など、噛む回数が少なくても食べられるものが中心です。
しっかり噛む刺激が少ないと、顎の骨の成長が十分に促されません。
よく噛むことは、顎の発育にとても重要です。
② 口呼吸の増加
アレルギー性鼻炎や生活習慣の影響で、口呼吸の子どもが増えています。
口呼吸が続くと、
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舌が正しい位置に置かれない
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上顎の横幅が狭くなる
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顔の縦方向の成長が強くなる
といった影響が出ることがあります。
歯並びと呼吸は密接に関係しています。
③ 姿勢の悪化・スマホ習慣

スマートフォンやタブレットの普及により、猫背姿勢が増えています。
猫背になると、
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下顎が後方へ引かれる
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舌の位置が下がる
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顎の正常な発育が妨げられる
姿勢と顎の成長は、実は深い関係があります。
④ 遺伝的要因
もちろん、顎の大きさは遺伝の影響も受けます。
両親が小顎傾向であれば、子どもも同様になる可能性はあります。ただし、環境要因の影響も非常に大きいと考えられています。
顎が小さいと診断されたらどうする?

まず重要なのは、成長を活かせる時期に相談することです。
一般的に6〜10歳頃は、上顎の成長を促しやすい時期とされています。
矯正歯科では、
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顎の横幅を広げる装置
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成長誘導装置
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口腔筋機能療法(MFT)
などを組み合わせる場合があります。
治療方針については、日本矯正歯科学会 も、成長発育を考慮した診断の重要性を示しています。
家庭でできる対策

すぐに矯正が必要でない場合でも、家庭でできることがあります。
✔ よく噛む習慣をつける
根菜類、繊維質の野菜、噛みごたえのある食材を取り入れましょう。
✔ 鼻呼吸を意識する
アレルギーがある場合は耳鼻科受診も検討。
✔ 正しい姿勢を保つ
食事中・勉強中の姿勢をチェック。
✔ 舌の位置を確認
舌は上顎に軽くついているのが正常です。
こんなサインがあれば要注意
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歯が並ぶスペースが明らかに足りない
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口が常に開いている
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いびきをかく
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前歯が大きく出ている
早期に専門医へ相談することで、将来的な抜歯や大掛かりな治療を回避できる可能性があります。
まとめ|顎の成長は「生活習慣」と深く関係
顎が小さい子どもが増えている背景には、
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食生活の変化
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口呼吸
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姿勢の悪化
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遺伝
といった複数の要因があります。
顎の成長は、小学生の時期がとても重要です。
気になる場合は、早めに矯正歯科で相談することをおすすめします。
参考文献
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日本矯正歯科学会「小児矯正治療に関する見解」
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Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. Elsevier.