〜「その通りになる」と思っていいの?〜
マウスピース矯正を中心に、
最近は「治療前に歯並びのシミュレーションを見せてもらえる」アウトカムシュミレーションを行なっている歯科医院が増えました。
画面上で歯がきれいに並んでいく様子を見ると、
「本当にこの通りになるの?」
「ズレたりしないの?」
と気になりますよね。
結論から言うと、
シミュレーションは“とても参考になるけれど、100%の予言ではありません”。
今回は、矯正シミュレーションが
「どこまで正確で」「どこに限界があるのか」を
できるだけわかりやすくお話しします。
そもそもアウトカムシミュレーションとは?

アウトカムシミュレーションは、
・口腔内スキャン
・レントゲン
・写真
などのデータをもとに、
歯をどう動かすかをデジタル上で再現したものです。
特にマウスピース矯正では、
治療計画そのもの=シミュレーション
といっても過言ではありません。
シミュレーションが「かなり正確」な部分
✔ 歯の並び方(形・位置)
歯の大きさや形、
最終的にどこに並べたいかという設計図としては、非常に精度が高いです。
「ガタガタがどう整うか」
「隙間がどう閉じるか」
といった点は、実際の仕上がりとかなり近くなります。
✔ 治療の流れ
・どの歯を先に動かすか
・どのタイミングで調整が入るか
こうした治療の大まかな流れも、比較的シミュレーション通りに進みます。
シミュレーション通りになりにくい部分

⚠ 歯の動くスピード
歯は生きた組織です。
骨の硬さや代謝、年齢、体質などによって、
動く速さには個人差があります。
そのため
「形は同じでも、予定より早い/遅い」
ということはよくあります。
⚠ 歯の細かい動き
回転、傾き、微調整などの繊細な動きは、
実際に治療を進めながら調整が必要になることが多いです。
その結果、
・アライナーの追加
・ワイヤーでの補助
などが入ることもあります。
⚠ 歯ぐき・唇・顔貌の変化
シミュレーションは基本的に「歯」中心です。
・歯ぐきのライン
・唇の厚み
・横顔の印象
こうした軟組織の変化は、完全には再現できません。
「歯並びは想定通りだけど、印象は少し違う」
というケースは、ここが理由です。
「シミュレーション=ゴール」ではない理由
シミュレーションは、
治療を安全に、計画的に進めるための地図のようなものです。
実際の治療では、
・歯の反応
・噛み合わせ
・見た目のバランス
を確認しながら、
必要に応じて計画を微調整していきます。
「患者さんの口の中に合わせて調整する」ことを重視します。
シミュレーションを見るときのポイント

患者さんがチェックしてほしいのは、
「この通りになるか」よりも、次の点です。
-
どんな順番で歯を動かす予定か
-
噛み合わせはどうなるか
-
調整が必要になった場合の説明があるか
ここを丁寧に説明してくれる医院は、
治療後の満足度も高い傾向があります。
まとめ
矯正シミュレーションは、
かなり精度の高い“治療計画” あくまで目安だということを忘れないようにしましょう。
ただし、
・歯の動く速さ
・細かい調整
・顔の印象
まで完全に予測できるものではありません。
「シミュレーションがあるか」よりも、シミュレーションをどう説明し、どう修正してくれるか。
そこが、矯正歯科選びの大事なポイントです。
当院では無料カウンセリングを行っています。
下記LINEからもお問い合わせが可能ですので、お気軽にご連絡ください
参考文献
-
Proffit WR, Fields HW, Larson B, Sarver DM.
Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier -
Graber LW, Vanarsdall RL, Vig KWL.
Orthodontics: Current Principles and Techniques. 6th ed. Elsevier -
Kapila SD, Nervina JM.
“CBCT in orthodontics: assessment of treatment outcomes and indications.”
Dental Clinics of North America. -
Kravitz ND, Kusnoto B.
“Risks and limitations of orthodontic treatment with clear aligners.”
Seminars in Orthodontics. -
日本矯正歯科学会 編
「矯正歯科治療ガイドライン」