矯正治療で行うIPRとは?~歯を削るのはなぜ?痛みはある?リスク等を解説~

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矯正治療で行うIPRとは?~歯を削るのはなぜ?痛みはある?リスク等を解説~

 

矯正治療を始める前の精密検査結果を聞く際、時々耳にする「IPR(歯を削る処置)」という言葉。
「歯を削るって痛いの?」「本当に必要なの?」「将来に影響はないの?」と、不安になる方も多いのではないでしょうか。

特にマウスピース矯正や非抜歯矯正では、このIPRが治療計画に含まれていることがよくあります。

今回は、そんな矯正中に行う“IPR”の目的やメリット・リスク、よくある疑問点について、
患者さま向けにわかりやすく解説します。

 


 

 

IPRとは?

 

IPRとは、
「Interproximal Reduction(歯と歯の間を少し削る処置)」の略称です。

日本語では「ディスキング」「ストリッピング」「歯間削合(しかんさくごう)」などとも呼ばれ、
主にマウスピース矯正や部分矯正で行われる処置です

 

 

 

✅ IPRはなぜ必要?目的は?

矯正中にIPRを行う目的は、主に次の3つです:

 

1. 歯が並ぶスペースを確保するため

  • 歯を抜かずに矯正する場合、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを作ることで、
     がたついた歯を無理なく並べられるようになります。

 

2. 出っ歯や口元の突出感を抑えるため

  • IPRによって歯列全体を内側に引き込む余地が生まれ、
     非抜歯でも口元を下げることが可能になります。

 

3. ブラックトライアングルの予防・改善

  • 歯の形が原因で歯と歯の間に黒いすき間(ブラックトライアングル)ができることがあります。
     IPRで形を整えることで、すき間が目立ちにくくなります。

 

 


 

 

IPRで削る量はどのくらい?

  • 通常は1か所あたり0.1mm〜0.3mm程度
  • 歯の表面(エナメル質)をごく薄く削るのみです
  • 痛みはほとんどなく、麻酔を使わずに処置が可能なことが多いです

たとえば、6か所に0.2mmずつ行えば、合計1.2mmのスペースを確保できます。

 

 


 

 

痛みやリスクはある?

▶ 痛みについて

  • 基本的に痛みはほとんどありません。
  • エナメル質の範囲内で削るため、神経への影響はなし
  • 音や振動が苦手な方は、事前に相談を

 

 

▶ リスク・デメリット

内容 解説
削りすぎ 経験不足や誤差で削りすぎると、知覚過敏や虫歯のリスクが上がることがあります。
エナメル質の損失 エナメル質は再生しないため、最小限の処置が原則です。
一時的なざらつき 削った直後にざらつきを感じることがありますが、仕上げ研磨を行います。

これらのリスクを避けるためにも、経験豊富な歯科医師による正確な処置が重要です。

 

 


 

 

IPRと抜歯の違いは?

 

項目 IPR 抜歯
スペース確保量 少量(数ミリ単位) 多い(1本あたり7mm前後)
処置の範囲 歯の一部(表面) 歯全体を抜く
負担 小さい(基本的に無麻酔) 麻酔・抜歯後の腫れや痛みあり
適応症例 軽〜中度の叢生、口元改善など 重度の叢生・出っ歯・骨格性問題など

IPRは抜歯をせずに矯正したい方にとって、非常に有効な手段です。

 

 

 

IPRを行うかどうかは誰が決める?

 

治療計画の中で、歯科医師が必要に応じて判断します。
インビザラインなどのマウスピース矯正では、シミュレーション段階でIPRが自動提案されることもありますが、
実際に行うかどうかは歯の形・大きさ・歯列の状態を総合的に見て決められます。

 

 


 

 

✅ まとめ:IPRは安全性と審美性を両立させるための工夫

「歯を削る」と聞くと不安に思う方も多いかもしれません。
しかし、IPRは適切に行えば非常に安全で、かつ見た目にも大きなメリットがある処置です。

矯正で理想の歯並びや口元を目指すには、ただ並べるだけではなく、“見た目の仕上がり”まで考えた設計が重要。
その一環として、IPRはとても大切なステップなのです。

ご不安な点があれば、お気軽に歯科医師へご相談ください。

 

 


 

 

 

 

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参考文献・出典

  • Proffit WR. Contemporary Orthodontics
  • 日本矯正歯科学会「非抜歯矯正とIPRの考え方」
  • Zachrisson BU. Interproximal enamel reduction: indications and limitations.
  • Invisalign Doctor Site(米国Align社)