夏休みは学校が長期間お休みになるため、生活リズムが大きく変わります。旅行や部活動、塾、帰省など、普段とは違う予定が増える一方で、矯正治療中のお子さんにとっては注意したいポイントもたくさんあります。
「学校がないから少しくらい大丈夫」と気を緩めてしまうと、治療期間が延びたり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まったりすることがあります。
今回は、矯正治療を受けている小学生・中学生・高校生が夏休み中に気をつけたいポイントについてご紹介します。
1.生活リズムの乱れに注意しましょう

夏休みは夜更かしや朝寝坊をしやすくなります。
生活リズムが乱れると、
- 歯みがきの回数が減る
- 食事時間が不規則になる
- 間食が増える
- ゴムかけやマウスピースの装着時間が短くなる
など、矯正治療にも悪影響が出やすくなります。
特に学校がある日は朝食後・昼食後・夕食後と歯みがきをしていたお子さんも、夏休みになると朝食を抜いたり昼近くまで寝たりして、歯みがきの習慣が崩れてしまうことがあります。
毎日なるべく同じ時間に起床し、規則正しい生活を心がけましょう。
2.間食・ジュースの摂り過ぎに気をつけましょう
夏休みは家で過ごす時間が長くなるため、お菓子やアイス、ジュースを口にする機会が増えます。
矯正装置が付いている歯は、食べ物が装置の周囲に残りやすく、虫歯のリスクが高くなります。
特に注意したいものは
- スポーツドリンク
- 炭酸飲料
- 清涼飲料水
- アイスクリーム
- キャラメル
- グミ
- ガム
などです。
スポーツドリンクは熱中症予防として役立つこともありますが、糖分が多く含まれている商品も少なくありません。
普段の水分補給は水やお茶を基本にし、甘い飲み物は時間を決めて飲むようにしましょう。
3.硬い食べ物には注意

夏休みには、
- バーベキュー
- お祭り
- 花火大会
- キャンプ
など楽しいイベントがたくさんあります。
しかし、
- 焼きとうもろこし
- 骨付き肉
- フランスパン
- 氷
- せんべい
- ナッツ類
などは矯正装置が外れたりワイヤーが曲がったりする原因になることがあります。
また、
- キャラメル
- お餅
- ガム
など粘着性の高い食品は装置に絡まりやすいため注意が必要です。
食べる際は小さく切って奥歯でゆっくり噛むようにしましょう。
4.歯みがきは普段以上に丁寧に

矯正装置が付いていると、歯ブラシだけでは汚れを落としきれないことがあります。
夏休みは食事回数や間食が増えやすいため、
- 矯正用歯ブラシ
- ワンタフトブラシ
- 歯間ブラシ
- デンタルフロス(装置に応じて使用)
なども活用しましょう。
特にブラケットとワイヤーの周囲は磨き残しが起こりやすい場所です。
鏡を見ながら一本一本磨く習慣を身につけましょう。
5.マウスピース矯正は装着時間を守る
インビザラインなどのマウスピース矯正では、装着時間がとても重要です。
一般的には1日20~22時間以上の装着が推奨されています。
夏休みは
- 外食
- 旅行
- 部活動
- 合宿
などで外す時間が長くなりがちです。
外したまま友達と遊んでしまったり、ケースに入れずティッシュに包んで紛失したりするケースも少なくありません。
外したら必ず専用ケースに保管し、食後は歯みがきをしてから装着するようにしましょう。
6.顎間ゴムは忘れずに

ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、顎間ゴムを使用している患者さんは毎日決められた時間装着することが大切です。
ゴムかけは患者さん自身の協力が治療結果に大きく影響します。
「今日は部活だからいいや」
「旅行中だけ休もう」
この積み重ねが治療期間の延長につながることもあります。
夏休み中も毎日忘れずに装着しましょう。
7.スポーツ時は口元のケガにも注意
夏休みは部活動やスポーツ大会が多い季節です。
矯正装置を付けた状態で転倒したりボールが顔に当たったりすると、装置で口の中を傷つけることがあります。
接触の多いスポーツでは、必要に応じてスポーツ用マウスガードについて歯科医師へ相談すると安心です。
8.夏休みは良い習慣を身につけるチャンス
夏休みは生活リズムが変わる一方で、新しい習慣を身につける絶好の機会でもあります。
例えば、
- 毎食後の歯みがき
- フロスの習慣
- ゴムかけ
- マウスピースの装着管理
- 定期的なセルフチェック
を意識して続けることで、学校が始まってからも良い習慣として継続しやすくなります。
矯正治療は歯科医院だけで進めるものではありません。
患者さん本人と保護者の方の毎日の協力が、きれいな歯並びへの近道になります。
まとめ
夏休みは楽しいイベントが多い反面、生活習慣が乱れやすく、矯正治療にも影響が出やすい時期です。
特に意識したいポイントは次のとおりです。
- 規則正しい生活を送る
- 間食や甘い飲み物を控える
- 装置が壊れやすい食べ物に注意する
- 毎日の歯みがきを丁寧に行う
- マウスピースや顎間ゴムの使用時間を守る
- 旅行時も矯正グッズを忘れない
- 定期受診を欠かさない
毎日の小さな積み重ねが、治療期間や仕上がりに大きく影響します。
充実した夏休みを過ごしながら、矯正治療も順調に進めていきましょう
参考文献
- 日本矯正歯科学会. 「矯正歯科治療について」
- 日本臨床矯正歯科医会. 「矯正治療Q&A」
- 厚生労働省. 「e-ヘルスネット(歯・口腔の健康)」
- 日本小児歯科学会. 「小児の口腔健康管理に関する情報」
- American Association of Orthodontists (AAO). Patient Education Resources
- Proffit WR, Fields HW, Larson B, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier.
- Graber LW, Vanarsdall RL, Vig KWL. Orthodontics: Current Principles and Techniques. Elsevier.