「歯並びが悪いと虫歯になりやすい」と聞いたことはありませんか。実際に、歯並びと虫歯には一定の関係があるといわれています。歯が重なっていたり、凸凹していたりすると歯磨きが難しくなり、虫歯の原因となる歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるためです。
この記事では、歯並びが虫歯に影響する理由や、歯列矯正による予防効果について矯正歯科の視点からわかりやすく解説します。
歯並びと虫歯の関係
虫歯は、口の中の細菌が作り出す酸によって歯が溶かされることで発生します。その原因となるのが、歯の表面に付着する歯垢(プラーク)です。
歯並びが整っている場合は歯ブラシが歯全体に届きやすく、歯垢を取り除きやすくなります。しかし、歯並びが悪い場合は次のような問題が起こることがあります。
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歯と歯が重なっている
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歯が凸凹している
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歯の隙間が不均一
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噛み合わせが悪い
このような状態では歯ブラシが届きにくい部分が増え、歯垢が溜まりやすくなるため、虫歯のリスクが高くなる可能性があります。
歯並びが悪いと虫歯になりやすい理由

歯並びが悪いことで虫歯のリスクが高くなる理由はいくつかあります。
1 歯磨きが難しくなる
歯が重なっている部分や奥まった部分は、歯ブラシの毛先が届きにくくなります。どれだけ丁寧に磨いているつもりでも、磨き残しが生じやすくなります。
特に次のような歯並びでは注意が必要です。
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八重歯
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歯の重なり(叢生)
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歯のねじれ
こうした部分には歯垢が溜まりやすく、虫歯の原因になりやすいとされています
2 食べ物が詰まりやすい
歯並びが乱れていると、食べ物が歯と歯の間に詰まりやすくなります。食べかすが長時間残ることで細菌が増殖し、虫歯の原因になる可能性があります。
また、詰まった食べ物が取り除きにくい場合、口腔内の衛生状態が悪くなることもあります。
3 歯垢が溜まりやすい環境になる
歯垢は細菌のかたまりであり、放置すると虫歯や歯周病の原因になります。歯並びが悪いと歯垢が溜まりやすい場所が増え、結果として虫歯のリスクが高くなります。
特に奥歯や歯の重なり部分は注意が必要です。
歯列矯正による虫歯予防
歯列矯正によって歯並びが整うと、歯磨きがしやすくなり、虫歯の予防につながることがあります。
歯並びが整うことで期待できるメリットは次のとおりです。
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歯ブラシが届きやすくなる
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歯垢が溜まりにくくなる
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食べ物が詰まりにくくなる
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口腔内の清掃性が向上する
その結果、虫歯や歯周病のリスクを減らすことにつながる可能性があります。
矯正中は虫歯に注意
矯正治療には虫歯予防のメリットがありますが、矯正中は一時的に虫歯リスクが高くなる場合もあります。
特にワイヤー矯正では装置の周りに食べ物や歯垢が溜まりやすくなるため、普段以上に丁寧な歯磨きが必要です。
矯正中は次のようなケアを意識しましょう。
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歯ブラシを細かく動かす
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歯間ブラシを使用する
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フロスを使用する
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定期的な歯科検診を受ける
正しいセルフケアを行うことで、矯正中の虫歯リスクを減らすことができます。
歯並びと口腔内の健康

歯並びは見た目の印象だけでなく、口腔内の健康にも大きく関わっています。
歯並びが悪い状態を放置すると、次のような問題につながる可能性があります。
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虫歯
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歯周病
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噛み合わせの問題
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歯のすり減り
歯列矯正によって歯並びと噛み合わせを整えることで、長期的に歯の健康を守ることにもつながります。
まとめ
歯並びが悪いと歯磨きが難しくなり、歯垢が溜まりやすくなるため、虫歯のリスクが高くなる可能性があります。
歯列矯正によって歯並びが整うと、
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歯磨きがしやすくなる
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食べ物が詰まりにくくなる
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虫歯や歯周病の予防につながる
といったメリットが期待できます。
歯並びが気になっている方や虫歯を繰り返している方は、一度矯正歯科で相談してみることをおすすめします。歯並びを整えることは、見た目だけでなく口腔内の健康を守ることにもつながります。
参考文献
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日本矯正歯科学会「矯正歯科治療の基礎知識」
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日本歯科医師会「虫歯と歯並びの関係」
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Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics.
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厚生労働省 歯科口腔保健関連資料