【マウスピース矯正】夏に気をつけたい!マウスピースの変形

〒497-0034 愛知県海部郡蟹江町本町9-45

ブログ BLOG

土日診療
キャッシュレス
対応
〒497-0034 愛知県海部郡蟹江町本町9-45
近鉄名古屋線「蟹江駅」
徒歩5
JR関西本線「蟹江駅」
徒歩15
駐車場を
ご用意しています

【マウスピース矯正】夏に気をつけたい!マウスピースの変形

夏になると、マウスピース矯正をしている方から「マウスピースが少し変形した気がする」「いつもより装着しにくい」といったご相談をいただくことがあります。

マウスピース矯正では、患者さん一人ひとりの歯の動きに合わせて作製されたマウスピースを順番に装着していきます。そのため、マウスピースが変形してしまうと、本来想定されていた歯への力が十分にかからなくなったり、装着感が変わったりする可能性があります。

特に注意したいのが、夏の「高温」です。

今回は、夏場に起こりやすいマウスピースの変形について、原因と対策を詳しくご紹介します。



マウスピースは熱に注意が必要です



マウスピース矯正に使用されるマウスピースは、熱可塑性の樹脂などを材料として作られています。透明で薄く、歯にぴったりとフィットするよう精密に成形されているのが特徴です。

一方で、こうした材料は温度の影響を受けるため、強い熱が加わると形状や機械的性質が変化する可能性があります。実際に、矯正用マウスピースの材料については、温度変化や熱処理が材料の硬さや力学的特性に影響することが研究で報告されています。

「プラスチックだから熱で溶けるのでは?」と思われる方もいらっしゃいますが、必ずしも目に見えて溶けるわけではありません。

注意したいのは、熱によって材料の性質が変化したり、わずかに形状が変わったりすることです。

マウスピース矯正では、歯を動かすための非常に細かな形状の違いが重要になるため、「見た目では大きな変化がないから大丈夫」とは限りません。


夏の車内や直射日光の当たる場所に置かない

夏に特に気をつけたいのが、マウスピースを外した後の「置き場所」です。

例えば、

・車の中
・炎天下の窓際
・直射日光が当たる場所
・高温になるバッグの中
・暖房器具など熱源の近く

などは避けるようにしましょう。

特に夏の車内は非常に高温になるため、短時間だから大丈夫と思っていても、マウスピースにとっては好ましくない環境になることがあります。

外出先で食事をするためにマウスピースを外した場合も、ティッシュなどに包んでそのままバッグや車内に置いてしまうのはおすすめできません。

マウスピースを外したら、専用のケースに入れて持ち運ぶ習慣をつけましょう。

ケースに入れることで、熱から守りやすくなるだけでなく、紛失や破損、汚れの付着を防ぐことにもつながります。


「洗うときのお湯」にも注意

もう一つ、意外と見落としやすいのがマウスピースの洗浄です。

マウスピースをきれいにするために、「お湯なら汚れが落ちやすそう」と考えて、熱いお湯で洗っている方はいませんか?

実は、これも注意が必要です。

マウスピースは熱によって変形する可能性があるため、熱いお湯での洗浄は避けることが大切です。

マウスピースの製品やメーカーによって推奨される洗浄方法は異なりますが、少なくとも「熱いお湯を使わない」という点は重要です。例えば、インビザラインの公式ケア情報でも、洗浄時にはぬるま湯を使用し、熱いお湯は避けるよう案内されています。

当院では、日常的な洗浄ではお湯ではなく水で洗うことをおすすめしています。

マウスピースを外したら、水でやさしく洗い流し、必要に応じて歯科医院から指示された方法で清掃しましょう。

「少し温かいくらいなら大丈夫」と自己判断するよりも、普段のお手入れは水を使う、と覚えておくと安心です。

なお、専用の洗浄剤などを使用する場合は、製品ごとの使用方法を確認してください。例えばインビザラインの専用クリーナーでは「熱いお湯ではなく、温かい水を使用する」とされています。


変形すると何が起こる?

では、マウスピースが変形すると、どのような問題が考えられるのでしょうか。

マウスピース矯正では、決められた形のマウスピースを装着することで、歯に計画された力を加えていきます。

そのため、変形によってマウスピースが歯にきちんとフィットしなくなると、

・装着時に浮いているように感じる
・一部が歯に合わなくなる
・以前より装着しにくくなる
・特定の部分だけ強く当たる
・マウスピースが外れやすくなる

などの変化が起こる場合があります。

ただし、これらの症状が必ずしも「熱による変形」を意味するわけではありません。歯の移動やマウスピースの装着方法、使用期間など、さまざまな原因が考えられます。

「いつもと違う」と感じた場合には、無理に使い続けたり、自分でマウスピースを削ったりせず、担当の歯科医師に相談しましょう。



夏のマウスピース矯正で気をつけたい3つのポイント

ここまでの内容を簡単にまとめると、夏場は次の3点を意識することが大切です。

① 高温になる場所に置かない

車内や直射日光の当たる場所など、高温になる環境にマウスピースを放置しないようにしましょう。

② 外したら専用ケースへ

食事や歯磨きなどでマウスピースを外したら、ティッシュなどに包んだまま放置せず、専用ケースに入れて保管しましょう。

ケースは紛失や破損の防止にも役立ちます。

③ 洗浄には水を使う

毎日の洗浄は、まず水ですすぐことを基本にしましょう。

特に熱いお湯はマウスピースの変形につながる可能性があるため避けてください。専用洗浄剤などを使用する場合は、歯科医院や製品の説明に従って正しく使用しましょう。



もしマウスピースが変形してしまったら?

「マウスピースを車の中に置いてしまった」「熱いお湯で洗ってしまった」という場合でも、必ずしもすぐに使用できなくなるとは限りません。

しかし、見た目に大きな変化がなくても、装着したときに「以前とフィット感が違う」「浮いている」「痛みが強くなった」などの違和感があれば注意が必要です。

無理に力を加えて装着したり、手で形を戻そうとしたりするのは避けましょう。

マウスピース矯正は、計画された形のマウスピースを使用することが治療の基本です。インビザラインについても、歯科医師による診察・管理のもとで治療を進めることが推奨されています。

変形が疑われる場合は、マウスピースを持参して矯正歯科で確認してもらうと安心です。必要に応じて、使用を継続するか、新しいマウスピースへの交換が必要かを判断してもらいましょう。


夏こそマウスピースを正しく保管しましょう

マウスピース矯正は、透明で取り外しができるというメリットがある一方、患者さん自身での管理も治療を進めるうえで大切になります。

特に夏は、普段何気なく置いている場所が高温になっていることがあります。

「ちょっと車に置いておくだけ」「お湯で洗ったほうがきれいになりそう」といった何気ない行動が、マウスピースに影響する可能性があります。

大切なのは、

「熱を避ける」
「外したらケースに入れる」
「洗浄は水を基本にする」

というシンプルな習慣です。

毎日使うマウスピースだからこそ、正しくお手入れ・保管して、できるだけ良い状態を保ちましょう。

夏の間もマウスピースを快適に使用し、計画通りの矯正治療を進めるために、少しの工夫を心がけてみてください。

マウスピースの変形や装着感について気になることがあれば、自己判断せず、担当の矯正歯科医にご相談ください。


友だち追加



参考文献

  1. Align Technology, Inc.「Cases for Invisalign Aligners」
  2. Align Technology, Inc.「Invisalign Cleaning Crystals」
  3. I. et al. “Dynamic mechanical and thermal properties of clear aligners after thermoforming and aging.” Progress in Orthodontics, 2021.
  4. “Effect of elevated beverage temperatures on the physical and mechanical properties of Invisalign clear aligners: an in-vitro simulation study.” 2025.
  5. “In vitro analysis of the influence of the thermocycling and the applied force on orthodontic clear aligners.” Frontiers in Bioengineering and Biotechnology, 2023.