結論から言うと、基本的に可能です。
マウスピース型矯正装置、例えば
インビザライン
のような装置は取り外しが可能なため、スポーツとの相性は比較的良いといえます。
ただし、競技の種類や強度によって注意点が異なります。
基本ルール:原則は「装着したまま」

マウスピース矯正は、1日20〜22時間以上の装着が推奨されます。
そのため、
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ランニング
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ヨガ
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筋トレ
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ダンス
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テニス
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バスケットボール
などの接触が少ないスポーツであれば、基本的に装着したままで問題ありません。
むしろ、装着していることで歯の表面がある程度保護されるという側面もあります。
接触スポーツの場合はどうする?
注意が必要なのは、
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ラグビー
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サッカー
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バスケットボール(接触が多い場合)
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空手・ボクシングなどの格闘技
といった衝撃を受ける可能性がある競技です。
マウスピース矯正装置は薄く作られているため、強い衝撃から歯を守る目的の装置ではありません。
そのため、
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激しい接触が予想される場合
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顔面にボールが当たる可能性が高い競技
では、専用のスポーツ用マウスガードの使用が推奨されます。
矯正用マウスピースとスポーツ用マウスガードの違い
よくある誤解が、
「マウスピースをつけているから大丈夫ですよね?」
というものです。
しかし、
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矯正用マウスピース → 歯を動かすための装置(薄い)
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スポーツ用マウスガード → 衝撃吸収のための装置(厚い)
と、目的がまったく異なります。
接触スポーツでは、矯正装置の上からスポーツ用マウスガードを作製するケースもあります。
試合中は外してもいい?

競技中のみ外すことは可能です。
ただし注意点があります。
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長時間外すと装着時間不足になる
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試合後すぐに再装着する
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紛失に注意する
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外した場合は必ず洗浄・保管ケースへ
試合や練習が2〜3時間程度であれば、日常の装着時間で調整可能なことが多いですが、毎日の長時間練習がある場合は、治療計画に影響することもあります。
激しい食いしばりは大丈夫?

スポーツ中は無意識に強く噛みしめることがあります。
マウスピース装着中であれば、ある程度歯の表面は保護されますが、
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破損
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変形
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ひび割れ
が起こることもあります。
違和感が出た場合は、自己判断せず歯科医院で確認することが重要です。
子ども・部活世代で多い質問
中高生で多いのが、
「部活があるから矯正できないですよね?」
という相談です。
実際には、
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ワイヤー矯正よりも口内炎ができにくい
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取り外しが可能
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大会前だけ一時的に外せる
という点で、マウスピース矯正は部活世代と相性が良い治療法です。
ただし、自己管理が必要なので、装着時間を守れるかどうかが重要なポイントになります。
プロアスリートはどうしている?
海外では、マウスピース矯正をしながら競技を行うアスリートもいます。
また、競技力向上や歯の保護目的でマウスガードを使用する選手も多く、例えば
大谷翔平
のようにマウスガードを使用していることで知られる選手もいます。
ただし、矯正用装置とスポーツ用装置は別物である点は重要です。
まとめ
マウスピース矯正中でもスポーツは基本的に可能です。
✔ 軽度〜中等度の運動 → 装着したままでOK
✔ 接触スポーツ → スポーツ用マウスガードを検討
✔ 試合中に外す場合 → 装着時間の管理が重要
マウスピース矯正は、比較的ライフスタイルへの影響が少ない治療法です。
スポーツを理由に矯正をあきらめる必要はありません。
不安がある場合は、競技内容を具体的に伝えたうえで、治療計画を相談することをおすすめします。
参考文献
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日本矯正歯科学会 編『歯科矯正学 第6版』医歯薬出版
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Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics. 6th ed. Elsevier.
-
American Academy of Pediatric Dentistry. “Policy on Prevention of Sports-related Orofacial Injuries.”
-
American Dental Association. “Mouthguards.”
-
Knapik JJ, et al. “Mouthguards in sport activities: history, physical properties and injury prevention effectiveness.” Sports Medicine.