「子どもの矯正って2回やるって聞いたけど本当?」
「1期治療だけで終わることはないの?」
小児矯正を検討されている保護者の方から、こうした質問はとてもよくいただきます。
結論から言うと、1期治療だけで終了するケースはあります。
ただし、すべての人がそうなるわけではなく、2期治療が必要になるケースも多いのが現実です。
この記事では、「1期治療で終わる場合・終わらない場合の違い」をわかりやすく解説していきます。
小児矯正の「1期治療」とは?
小児矯正は大きく2つの段階に分かれます。

■1期治療(6〜12歳ごろ)
乳歯と永久歯が混ざっている混合歯列期に行う治療です。
主な目的は、
- 顎の成長をコントロールする
- 歯が並ぶスペースを確保する
- 悪い習慣(口呼吸・舌のクセなど)を改善する
つまり、「歯の土台を整える治療」です。
■2期治療(中学生以降)

永久歯が生えそろった後に行う、本格的な歯並びの治療。大人の歯の矯正治療です。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
などを使い、細かく歯を整えていきます。
1期治療だけで終わるケースはある?
結論として、条件がそろえば1期治療だけで終了することはあります。
では、どんなケースが該当するのでしょうか?
1期治療で終わりやすいケース
① 顎のバランスが主な問題だった場合
例えば、
- 上顎が狭い
- 下顎の成長が強すぎる
といった「骨格的な問題」が中心の場合、1期治療で成長をうまくコントロールできれば、その後大きなズレが出ないことがあります。
② 歯が並ぶスペースが確保できた場合
歯並びが悪くなる原因の多くは「スペース不足」です。
1期治療で
- 顎を広げる
- 歯が並ぶスペースを確保する
ことができれば、自然にきれいに並ぶケースもあります。
③ 習癖が改善された場合
- 口呼吸
- 舌のクセ
- 指しゃぶり
こうした習慣が原因で歯並びが悪くなっていた場合、早期に改善できれば、その後の歯並びが安定しやすくなります。
2期治療が必要になるケース
一方で、以下のような場合は2期治療が必要になることが多いです。
① 歯の大きさと顎のバランスが合わない
顎が小さく、歯が大きい場合は、スペースがどうしても足りません。
その結果、
- ガタガタの歯並び(叢生)
- 抜歯が必要になるケース
につながることがあります。
② 永久歯の生え方に問題がある
1期治療で土台を整えても、永久歯が
- ねじれて生える
- ずれて生える
といった場合は、最終的に細かい調整が必要になります。
③ 見た目や噛み合わせをより整えたい場合
機能的には問題がなくても、
- 見た目をよりきれいにしたい
- 噛み合わせを理想に近づけたい
という場合には、2期治療を行うことがあります。
1期治療の本当のメリット
「結局2期もやるなら意味ないのでは?」と思われるかもしれませんが、それは違います。
1期治療には大きなメリットがあります。
- 抜歯を避けられる可能性が高まる
- 2期治療が短期間で済む
- 歯並びの悪化を予防できる
- 骨格の問題にアプローチできる
つまり、将来の負担を軽くするための治療とも言えます。
まとめ
小児矯正において、
- 1期治療だけで終わるケースは「ある」
- ただし、2期治療が必要になることも多い
- 成長や歯の生え方によって変わる
というのが現実です。
子どもの歯並びや顎の成長は、早い段階で適切に対応することで、将来の選択肢が大きく広がります。
気になる場合は、一度専門的な診断を受けてみることをおすすめします。
参考文献
- 日本矯正歯科学会
小児矯正および不正咬合に関する一般向け情報
https://www.jos.gr.jp/ - 日本小児歯科学会
小児期の歯列発育および咬合管理に関する指針
https://www.jspd.or.jp/ - 厚生労働省
歯科口腔保健の推進に関する資料
https://www.mhlw.go.jp/ - American Association of Orthodontists
Early Orthodontic Treatment(早期矯正治療)に関する情報
https://www.aaoinfo.org/ - Proffit Contemporary Orthodontics 第6版
成長期における矯正治療および2段階治療の考え方