舌の位置で歯並びも顔の印象も変わる?「舌の正しい位置」

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舌の位置で歯並びも顔の印象も変わる?「舌の正しい位置」

「最近、前歯が出てきた気がする」「口元が以前よりも気になる」「写真を見ると、なんとなく口が開いていることが多い」

このようなお悩みがある方は、歯並びだけではなく普段の「舌の位置」にも注目してみるとよいかもしれません。

舌は食べ物を飲み込んだり発音したりするために欠かせない器官ですが、実は安静時の位置や飲み込み方など口の中での使い方も歯並びや口元の状態と関係しています。

今回は、矯正歯科の視点から「舌の位置と歯並び」「舌の癖と口元の印象」についてわかりやすく解説します。


そもそも、舌は普段どこにあるのが理想?

リラックスして口を閉じているとき、舌は口の中でどのような位置にあるでしょうか。

一般的には、舌の先が上の前歯の少し後ろにある「スポット」と呼ばれる場所に軽く触れ、舌の中央から奥の部分も上あごに近い状態が、ひとつの目安とされています。


一方で、

・舌が下に落ちている
・舌先が前歯を押している
・舌が上下の前歯の間から出ている
・いつも口がぽかんと開いている

といった状態が習慣化している場合には、舌や唇、頬などの筋肉のバランスが歯並びに影響している可能性があります。

 


舌の癖が歯並びに影響することがある理由

歯は、顎の骨の中に完全に固定されているわけではありません。

歯には、舌・唇・頬など周囲の筋肉から日常的に力が加わっています。通常は、それぞれの力がバランスを保つことで歯の位置も安定しています。

ところが、舌を前に出す癖や飲み込むときに舌で前歯を押す癖などが長期間続くとその力が歯並びに影響することがあります。

代表的なのが「開咬」です。

開咬とは、奥歯を噛み合わせたときに上下の前歯が接触せず、前歯の間にすき間ができる状態です。



舌を前に押し出すような飲み込み方は「舌突出癖」と呼ばれ、不正咬合の原因のひとつになっています。


「舌の位置」で顔の印象まで変わる?

「舌を正しい位置に置くだけで小顔になる」「舌を上あごにつければ顔の形が劇的に変わる」といった情報をSNSで見かけることがよくあるかと思います。

しかし、これは少し注意が必要です。

成人の顔貌は、骨格、歯並び、咬み合わせ、筋肉、皮下組織などさまざまな要素によって決まります。そのため、舌の位置を変えただけで顔の骨格が大きく変化すると考えるのは適切ではありません。

「舌の位置だけで顔が変わる」というよりも、歯並び・舌・唇・呼吸など口元全体の機能と形を一緒に考えることが大切だということなのです。


簡単にできる「舌の位置」セルフチェック

まずは、リラックスした状態で口を閉じてみましょう。

次の項目をチェックしてみてください。

□ 舌先が上の前歯の裏側に強く当たっている
□ 舌先が上下の前歯の間に出ている
□ 舌が下あごに落ちているように感じる
□ 口を閉じると顎に力が入りやすい
□ 普段から口が開いていることが多い
□ 飲み込むときに舌が前歯を押している気がする
□ 発音するときに舌が前歯に当たりやすい

いくつか当てはまるからといって、必ず治療が必要というわけではありません。

ただ、歯並びの乱れや前歯のすき間、開咬などがあり、さらに舌の癖や口呼吸などが気になる場合には、一度矯正歯科で相談してみるとよいでしょう。


矯正治療では「歯を動かす」だけではない

矯正治療というと、「ワイヤーやマウスピースで歯を動かす治療」というイメージが強いかもしれません。

もちろん歯を適切な位置へ移動させることは矯正治療の重要な目的です。

しかし、歯並びに影響している口腔習癖や筋肉の使い方に問題がある場合には歯だけを見て治療するのではなく、舌・唇・頬などの機能にも目を向けることがあります。


その一つが「口腔筋機能療法(MFT)」などのトレーニングです。



MFTでは舌の安静時の位置、唇の使い方、飲み込み方、呼吸など口腔周囲の筋肉を適切に使うための練習を行います。

ただし、MFTだけですべての歯並びが改善するわけではありません。これまでの研究では、口腔筋機能療法に一定の可能性が示されている一方、研究の質や方法にはばらつきがありその効果を一律に断定するには十分なエビデンスがないとされています。

そのため、必要に応じて矯正治療と口腔機能へのアプローチを組み合わせることが重要です。

 


子どもの場合は「癖」に早めに気づくことが大切

成長期のお子さんでは、舌や唇の使い方や指しゃぶり、口呼吸などの習慣が長く続いていないかを確認することも大切です。

特に

「いつも口が開いている」
「飲み込むときに舌が前に出る」
「前歯にすき間がある」
「発音が気になる」
「舌がいつも下にあるように見える」

といった場合には、歯並びだけでなく口腔機能も含めてチェックするとよいでしょう。

成長期の不正咬合にはさまざまな要因が関係するため「早ければ早いほど必ず治療したほうがよい」というわけではありません。
しかし気になる癖を早めに把握することで適切な時期に必要な対応を検討できます。



矯正治療を行う上で装置の使用を頑張るだけではなく、舌の位置にも意識を置いて過ごしていくことがとても大切です。
普段舌の位置を気にして過ごすことはほぼないと思いますが、一度自分の舌の位置はどこにあるのか、飲み込むときに舌を歯に押し当てていないか確認してみてください。


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参考文献

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  3. Homem MA, et al. Effectiveness of orofacial myofunctional therapy in orthodontic patients: A systematic review. Dental Press Journal of Orthodontics. 2014;19(4):94-99.
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  5. McFarland CJ, et al. Still Tongue, Silent Cues: A Systematic Review of Lingual Resting Posture. 2026.