「歯並びが悪いと発音も悪くなるって本当?」
「子どもの発音が気になるけど、歯並びが原因?」
「矯正で滑舌がよくなるって聞いたけど…?」
このような疑問を持っている方は少なくありません。
実は、歯並びと発音(滑舌)には深い関係があるのです。
この記事では、歯並びと発音の関係をわかりやすく解説しながら、どんな発音障害があるのか、矯正治療で改善できるのかについて詳しく紹介していきます。
1. 歯並びと発音の関係とは?

発音は、舌・唇・歯・口腔内の形・声帯など複数の器官の連動によって行われています。その中でも歯の位置や形、噛み合わせは、発音に大きな影響を与えることが分かっています。
たとえば、「さ・し・す・せ・そ」や「た・ち・つ・て・と」などの発音は、舌の先端と歯の位置が正しく合わないと、うまく発音できません。
つまり、歯並びが乱れていると、空気の通り道や舌の動きに制限が生まれ、特定の音が発音しづらくなるのです。
2. 発音に影響を与える代表的な歯並び
以下のような歯並びや噛み合わせの乱れは、発音に直接影響を与える可能性が高いです。
① 開咬
上下の前歯に隙間があり、噛んだときに前歯が閉じない状態。
→ 舌が前に出て「サ行」「タ行」などが不明瞭になりやすい。
② すきっ歯
前歯の間に隙間がある状態。
→ 息が漏れ、「ス」や「シ」などの音が舌足らずになることがある。
③ 出っ歯(上顎前突)
上の前歯が前方に出ている状態。
→ 空気の抜け方に影響し、摩擦音が強くなる・サ行が不自然になる。
④ 受け口(下顎前突・反対咬合)
下の歯が上の歯より前に出ている状態。
→ 「タ行」「ナ行」など舌先を使う音が出しにくくなる。
⑤ 過蓋咬合
上の前歯が下の前歯を覆いすぎている状態。
→ 舌の動きが制限され、滑舌が悪くなる。
3. よくある発音の問題とその原因
歯並びによる発音障害の代表例には以下のようなものがあります。
| 発音障害の例 | よくある原因 |
|---|---|
| サ行が舌足らずに聞こえる | 開咬、すきっ歯、出っ歯 |
| タ行・ナ行がこもる | 受け口、開咬 |
| シャ行・チャ行が不明瞭 | 開咬、上顎前突 |
| 空気が漏れてスースー音がする | すきっ歯、舌の位置異常 |
| 滑舌が全体的に悪い | 顎の位置異常、舌小帯の異常 |
これらの発音は、歯列の形・舌の動き・顎の骨格によって微妙に影響を受けます。
4. 矯正治療で発音は改善できるの?

結論から言えば、改善できる可能性は十分にあります。
特に以下のようなケースでは、歯列矯正によって舌の動きや空気の流れがスムーズになり、発音が改善された例が多く報告されています。
- 開咬によるサ行・タ行の発音障害
- 出っ歯による口呼吸・滑舌の悪さ
- すきっ歯による空気漏れ
- 受け口による発音のこもり
矯正治療によって歯並びと噛み合わせが整うと、舌の動きや空気の通りが改善され、発音がクリアになるケースも少なくありません。
🔍 ただし注意点も…
発音障害が舌の筋力・舌小帯・神経的な問題に起因している場合は、歯並びの改善だけでは不十分なこともあります。
そのため、歯科だけでなく言語聴覚士(ST)との連携が必要なケースもあります。
5. 矯正で発音が悪くなることはある?

一時的に矯正装置(特に舌側矯正やマウスピース)によって発音しづらくなることはあります。
特に慣れるまでの間は、以下のようなことが起こりやすいです。
- サ行・ラ行が言いづらい
- 装置が当たって舌がうまく動かない
- 空気の抜け方が変わる
ただし、これらは一時的な違和感であることがほとんどです。ほとんどの方が1〜2週間程度で慣れ、元の発音に戻るか、逆に改善されるケースもあります。
6. まとめ|歯並びと発音は密接な関係にある
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 歯並びは発音に影響する? | する。特にサ行・タ行など |
| どんな歯並びが影響する? | 開咬・すきっ歯・出っ歯・受け口など |
| 矯正で改善できる? | 多くの場合は改善可能 |
| 矯正で悪化することは? | 一時的に言いづらくなることはあるが慣れる |
| 迷ったときは? | 歯科・言語聴覚士に相談を |
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参考文献
- 日本矯正歯科学会「矯正治療Q&A」https://www.jos.gr.jp/
- 日本言語聴覚士協会「構音障害の理解」https://www.jaslht.or.jp/
- 厚生労働省「口腔の機能と発達」https://www.mhlw.go.jp/
- American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics(AJO-DO)